MLBドラフト全体1位の豪腕24歳が大ブレイク! (5ページ目)
一方、ピッチャーで紹介したいナ・リーグのニューカマーは、ピッツバーグ・パイレーツのゲリット・コールという24歳の先発右腕です。前述のクロフォードと同じUCLA出身で、2009年には日米大学野球で、そして翌年の2010年も世界大学野球選手権で来日経験があります。その後、2011年のドラフト全体1位でパイレーツから指名され、2013年にメジャーデビューを果たしました。
そして今シーズン、コールは開幕から脅威の快進撃を見せています。4月は5試合の先発で4勝0敗・防御率1.76。30イニング3分の2を投げて35個の三振を奪い、WHIP(※)は0.98という驚きの数値を叩き出したのです。その結果、ナ・リーグの月間最優秀投手に選出されました。
※WHIP=被安打数と与四球数(与死球数は含まない)を足して投球回数で割った数値。1イニングあたり何人の走者を出したかを表す。WHIP1.00未満はメジャー屈指のレベル。
その勢いはとどまらず、6月13日には両リーグを通じて10勝一番乗り。現在、勝ち星(11勝)、防御率(1.78)ともにナ・リーグ1位に立っています。パイレーツにはA.J.バーネットというエースがいますが、今シーズンは彼を押しのけるほどの存在感を放ち、一躍メジャーを代表する一流ピッチャーの仲間入りを果たしました。
コールの最大の武器は、いまやリーグ屈指と称される剛速球です。今シーズンのストレートの平均時速は95.7マイル(約153.9キロ)。これは、ナ・リーグの先発投手の中では2位にランクインします(1位はニューヨーク・メッツのマット・ハービー)。ストレートを投げたときの轟音から、「コール・トレイン」というあだ名がついています。
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