【MLB】オールスターに選ばれそうな「遅咲きニューカマー」
オールスターで見たいニューカマー@ア・リーグ編
オールスターゲームまで残り1カ月となり、全米各地で行なわれているファン投票が盛り上がりを見せています。オールスターの魅力のひとつは、シーズン前半で活躍した勢いのある選手たちの選出でしょう。そこで今回は、今年のオールスターでぜひとも見たいニューカマーを紹介したいと思います。
ようやく本職の座を手に入れたアスレチックスのスティーブン・ボート まず紹介したい選手は、タンパベイ・レイズのクリス・アーチャーという26歳の先発右腕です。2006年にドラフト5巡目(全体161位)でクリーブランド・インディアンスに入団したアーチャーは、シカゴ・カブスを経て2011年にレイズの一員となり、2012年、ようやくメジャーデビューを果たしました。その後は先発ローテーションの一角を担い、昨年は自身初となる10勝(9敗)をマークすると、今シーズンついに大ブレイク。現在ア・リーグ3位タイの7勝(4敗)を挙げ、防御率2.00はリーグ3位、奪三振数113個はメジャー1位タイに立っています。
特に驚かせたのは、5月下旬から6月上旬にかけて成し遂げた大記録です。アーチャーは5月27日のシアトル・マリナーズ戦で12奪三振、6月2日のロサンゼルス・エンゼルス戦で15奪三振、そして6月7日に再びマリナーズ戦で12奪三振と、3試合連続でふたケタ奪三振をマークし、しかも3試合すべてでフォアボールをひとつも出しませんでした。「3試合連続ふたケタ奪三振・無四球」は、なんと1900年以降の近代野球で史上初の出来事です。アーチャーは一躍、時の人となりました。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)