藤川球児、新天地レンジャーズで「一発逆転」の可能性は? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 ただ、和田投手にとって、ひとつ気がかりな点があります。それは、先発したときのイニング数です。昨年13試合に先発したうち、クオリティスタート(6イニング以上・3自責点以下)だったのは、わずか5試合。5イニングほどで降板してしまう投手のことを、アメリカでは「ファイブイニングピッチャー」と呼びます。長いイニングを投げられないようでは、なかなか評価は高まりません。

 そのためにも和田投手は、キャンプで長いイニングを投げて結果を出すことが求められるでしょう。カギを握っているのは、いかに1イニングの球数を抑えるかです。昨年、和田投手の1イニング平均球数は16.53球でした。メジャーの平均球数は15球なので、この部分が改善点と言えるでしょう。

 岩隈久志投手(シアトル・マリナーズ)と同じように制球力の良いタイプの和田投手は、できるだけストライクを先行させて、少ない球数でアウトを取ることが必要とされます。もし、先発5番手に選ばれないと、今季のブルペンは左投手が不足しているので、リリーフに回される可能性が高いと思います。和田投手はリリーフに回されることを望んでいないので、ぜひとも先発5番手に選ばれてほしいです。

 一方、今オフにテキサス・レンジャーズと契約した藤川球児投手も、和田投手と似たような境遇にいると思います。2012年のオフにシカゴ・カブスと2年契約を結んだのですが、開幕直後に故障者リスト入りし、トミー・ジョン手術を受けました。そしてメジャー2年目は復帰したものの、わずか15試合の登板に終わり、FAとなってカブスを去ることになったのです。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る