藤川球児、新天地レンジャーズで「一発逆転」の可能性は?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 いよいよアメリカ各地でオープン戦がスタートし、2015年のベースボールシーズンが幕を開けました。ポジションが確約されていない選手にとってオープン戦は、首脳陣にアピールするための大事な主戦場です。そこで今回は、熾烈なポジション争いを繰り広げている日本人メジャーリーガーの現在の立ち居地を紹介したいと思います。

不遇のカブス時代を経て、レンジャーズで再起に賭ける藤川球児不遇のカブス時代を経て、レンジャーズで再起に賭ける藤川球児日本人メジャーリーガーの現在地@ピッチャー編

 2年連続でふたケタ勝利をマークしている岩隈久志投手(シアトル・マリナーズ)や、ルーキーイヤーでエース級の働きを見せた田中将大投手(ニューヨーク・ヤンキース)、そしてクローザーとして信頼の厚い上原浩治投手(ボストン・レッドソックス)などポジションがある程度確約されているピッチャーは、オープン戦で徐々に調子を上げながら開幕戦にコンディションを合わせることができます。しかしオープン戦の結果次第では、開幕時にポジションがなくなってしまうピッチャーも数多くいます。日本人メジャーリーガーの中では、シカゴ・カブスの和田毅投手もそのひとりと言えるでしょう。

 2012年、ボルチモア・オリオールズに移籍した和田投手は、不本意な2年間を過ごす結果となりました。左ひじ痛を発症してトミー・ジョン手術を受けることになり、一度もメジャーのマウンドに上がることのないまま自由契約となったのです。しかし、カブスとマイナー契約した2014年はトリプルAで実績を積み、ついにメジャーデビューを果たしました。その結果、今オフはカブスとさらに1年契約を結ぶことができたのです。

1 / 5

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る