【高校野球】球速130キロ台だった無名右腕が大変身 上田西・内藤峻が最速150キロのドラフト候補になったわけ (4ページ目)
大学を経由して、ドラフト上位指名を狙う選択肢もあったはずだ。それでも、なぜ高卒のプロ志望を目指すのか。そう尋ねると、内藤は淡々と答えた。
「たしかに努力次第で、大学から上位指名を目指せると思います。でも、自分はせっかくチャンスがあるなら、行ける時に行っておいたほうがいいと考えています。大学に行って、もし腐ったりしたらもったいない。やる気の戻ってきた今のうちに、プロを目指したいです」
「やる気の戻ってきた今のうち」という言葉に、内藤らしさが滲んでいた。ヒザの痛みや野球を失う恐怖を味わった人間だからこそ、今の時間を大事にしたいのだろう。
7月18日、上田西は準々決勝で東京都市大塩尻に1対6と敗退。リリーフ登板した内藤は5回を投げて自責点0と奮闘したものの、甲子園出場はかなわなかった。
「高校最後の夏を全力でやり切って、先のことはそれから準備します」
そう語っていた内藤は、早くも「先のこと」に目を向けることになる。
ドラフト会議が開催される10月まで、時間はまだある。成長し続ける右腕・内藤峻は、秋までにさらに大きく化けているかもしれない。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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