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【高校野球】球速130キロ台だった無名右腕が大変身 上田西・内藤峻が最速150キロのドラフト候補になったわけ (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 2月に入ると、打者を立たせてマウンドから投げられるようになった。当初は左足を踏み出すことが「めちゃくちゃ怖かった」という。だが、気候が暖かくなるにつれ、球速が上がっていくことを実感した。自己最速の150キロをマークした内藤は「自分がやってきたことは間違いではなかった」と手応えを得たという。

 内藤の長所は、力感のない腕の振りにある。全力で腕を振っていないように見えて、快速球が放たれる。それは内藤がこだわっているポイントだ。

「力感以上のボールを投げることを大事にしています。そんなに力を入れていないのに、バッターが振り遅れたり、詰まったりする反応が増えてきました。150キロが出た時も、無理やり球速を出しにいったのではなく、自然と出たのでよかったです」

【自分のフォームがない】

 7月11日、佐久運動公園野球場で行なわれた長野大会3回戦・伊那北戦で、内藤は今夏初めて先発マウンドに上がった。バックネット裏には、多くのプロスカウトが集結。複数人体制で見守った球団もあった。

 ところが、内藤が見せたパフォーマンスは評価が難しかった。最高球速は145キロに留まり、4回を投げて被安打1、奪三振2、与四球1、失点0。相手打線を圧倒するような内容ではなかった。チームは16対2(5回コールド)と圧勝したものの、試合後の内藤の表情は冴えなかった。

「朝から体調がすぐれなくて、キャッチボールから『いつもよりボールがいかないな』と感じていました。ただ、悪いなりに0点に抑えられたのは、よかったと思います」

 じつはその6日前にあった大会初戦の2回戦(松本美須々ヶ丘戦)も状態が悪く、投球フォームを大きく修正していたという。初戦はセットポジションから始動していたのを、この日はノーワインドアップに変更。ほかにも体の使い方を大胆に変えていたと内藤は語った。

 大会期間中に投球フォームをガラッと変えるのは、勇気がいるのではないか。そう尋ねると、内藤は意外な言葉を返してきた。

「自分には自分のフォームがないので」

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