【高校野球】「時代に合わせた改革は必要でも、変えてはいけないものがある」 大阪桐蔭・西谷監督が示す使命感 (3ページ目)
子どもたちがどうか──西谷の思いはそこにある。
「アンケートだって、まずは子どもたちの声を聞くべきだと思うんです。普段は『子どもたちのため』『子どもたちを守る』と言っているのに、その思いが反映されていない。誰のための高校野球なのか。子どもたちが野球をしなければ、高校野球も、野球そのものも成り立ちません。『やってダメなら戻せばいい』という人もいますが、そんなに簡単な話ではありません。7回制になったら、本当に野球ではなくなってしまいますから」
イチローも口にした危機感。西谷の言葉はさらに続いた。
「『7回制に決まりました』と言われても、子どもたちに説明できません。夏は暑いから7回までと言うなら、外で練習しているのはどう説明するのか。しかも気温と関係ない選抜大会まで7回制になると言われたら、なおさらです。『9回できるなら甲子園以外でもいい。なぜ7回なんですか?』と聞かれたら、説明できない。
僕のなかでは議論の余地もない気持ちですけどこのまま決めるのはあまりにも乱暴じゃないですか。一部の話し合いでこんなことを許したら、次から次にどんどんいろんなものが変わりますよ」
【守ろうとする方向がずれている】
率直な思いを口にする西谷と高野連との関係を心配する声もある。それでも西谷は言う。
「なにもケンカをするつもりはありません。それぞれの立場に立って、これだけ大きな大会を継続して開催してもらっていることには、本当に感謝しています。ただ、時代に合わせた改革は必要でも、変えてはいけないものがある。
高野連の方々は高校野球、子どもたちを守る存在だと思っていますし、立場は違っても、僕たちも同じ思いでやってきました。だからこそ、守ろうとする方向が少しずれているように感じることが残念なんです」
子どもたちのため、高校野球を守るため──同じ言葉を口にしながらも、西谷やイチローと主催者側の考えはなぜ食い違うのか。おそらく、見つめている視点が違うのだろう。第一に子どもたちのことを考えているのか、世間を見ているのか。7イニング制を巡る議論をまとめた報告書の「社会のなかの高校野球」という項目のなかに、次のような一文が記されている。
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