【高校野球】「時代に合わせた改革は必要でも、変えてはいけないものがある」 大阪桐蔭・西谷監督が示す使命感 (2ページ目)
「もし賛成が多ければ、『ほら』となったんじゃないですか。これだけ反対が多いのに、何もなかったように進めるんですか。僕の周りでは『賛成!』という声は聞いたことがありませんし、アンケートも時間のないなか、思いを込めて回答してくれた人が多いはずなんです。その結果を大切にしていると感じられないのも残念です」
誰かが声を上げなければ、なし崩し的に話が進んでしまうという危機感があるのだろう。選抜に向けた選手取材で人の出入りが続くなかでも、西谷の語調が弱まることはなかった。
【現場責任者としての使命感】
すっかり日が暮れた山中のグラウンドでは、選手たちが黙々と個人練習に励んでいる。その様子をしばらく見つめていた西谷に、「どうなりますかね」と声をかけてみた。もちろん、選抜の展望のことではない。とくに反応がなければ「今日はここまで」と思っていたが、このまま7回制にしてほしくない強い思いがあったのだろう。西谷が続ける。
「いくら考えても、やっぱりおかしいじゃないですか。9回を7回にするなんて、誰にそんな権利があるんですか。高市(早苗)さんだって、ひとりで法律を変えられるわけじゃないですよね。誰が話し合って決めているのかも見えないし、どんな議論があったのかもよくわからない。暑さの問題だけでなく、部員数の減少や働き方改革など、さまざまな事情があるなかで、『28年の選抜から7イニング制が望ましい』って。正直、なんか嫌になりますよね」
高校野球に身を捧げてきた西谷の偽らざる本音だろう。
「よく『勇気を出した』って言われることもありますけど、別にそんなことはありません。間違っているから言っているだけで、誰かが言わなければいけないでしょう。それが現場を預かる者の責任だと思っています。子どもたちはおかしいと思っても、声を上げる場がないわけですから」
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