【夏の甲子園2025】プロ注目左腕の未来富山・江藤蓮がまさかの8失点KO それでもスカウトの評価が揺るがないワケ
「本当にいい時を知っているので......。その時と比べると、劣るところもあったかもしれません。でも、調整してきたなかで、今日は関西に入ってから一番のピッチングをしてくれました。今持てる力をすべて出してくれましたし、ベストピッチングだったと思います」
未来富山の若き指揮官・角鴻太郎監督は、言葉を選ぶようにして江藤蓮(3年)の投球について語った。
プロ注目の左腕、未来富山のエース・江藤蓮 photo by Matsuhashi Ryukiこの記事に関連する写真を見る
【ほろ苦い甲子園デビュー】
江藤は未来富山のエースで4番打者という大黒柱であり、今秋のドラフト候補に挙がる注目選手でもある。今夏はプロ志望の甲子園球児が少なかったこともあり、プロ志望を公言する江藤を見守るプロスカウト陣の熱も高かった。
しかし、8月11日に高川学園(山口)との初戦(2回戦)に臨んだ江藤にとって、苦々しい甲子園デビューになってしまった。
5回1/3を投げ、被安打11、奪三振6、与四死球3、失点8。チームは5対8で高川学園に敗れた。
スカウト陣も首をひねった。複数のスカウトに話を聞いてみたが、「本来の江藤の姿ではない」という見解で一致した。その一部を紹介したい。
「富山大会はもっとよかったですよ。でも、甲子園を決めて、ひと息ついて、気持ちの面で落ちてしまったところがあったのかな」(Aスカウト)
「前はキャッチボールからボールの強さがありました。コンディションの問題なのか、体力的な問題なのか、今日はキレが今ひとつですね。でも、落ちる変化球(フォーク)はよかったです」(Bスカウト)
最高球速は自己最速に1キロ及ばない、144キロ。しかし、それ以上に物足りなく映った。そもそも、江藤のよさはスピードガンの数字では計れないのだ。
今年4月、奈良県内で実施された高校日本代表候補強化合宿に、江藤は招集されている。この合宿は一般公開こそされなかったものの、多くのプロスカウトが視察に訪れた。そこで江藤は強烈なアピールに成功している。
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著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。




























