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「試合だとなんでうまくいかないんだ...」ドラフト上位候補の創価大・立石正広が苦悩と試行錯誤の末につかんだ復活への答え (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 構えを変えることに頓着しないが、どう変えるかは執着しない。そういうことなのだろうか。再び立石に問うと、こんな答えが返ってきた。

「あのレベルのピッチャー相手に、タイミング以外のことを考えちゃうと、正直言って無理なので。構えをどうしようとか、腕をどう動かそうと考えちゃうと、バットが出てきません。ポイントで意識することと、意識しないことを分けています」

 立石の言葉からは、0コンマの刹那の世界で戦う打者ならではの凄みが滲んでいた。すべてを自分の意のままにコントロールするのではなく、意識すべきポイントを絞り、結果的にいい打球が打てればいい。自分がどう構えているかに意識が向かないということは、立石が着実に復調へと向かっている証なのだ。

 合宿3日目には、今まで経験のない左翼のポジションに入って、シートノックから無難にこなしてみせた。そして、合宿終了後に発表された26人の代表メンバーのなかに、立石の名前はしっかりと記されていた。

 立石にとっては、昨年に続き2年連続の大学日本代表選出になる。ただし、昨年は「自分のバッティングがわからなくなりました」と極度の不振に苦しみ、本来の力を発揮できなかった。

 7月8日から日本で開催される日米大学野球選手権。未来のメジャーリーガー候補生を相手に、立石はどんな打撃を見せるのか。もし、平塚のバックスクリーンに突き刺さった一撃が再現されることがあれば、立石正広の名前は世界にとどろくはずだ。

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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