153キロ右腕、ナックルカーブの使い手、右の大砲... 全国の舞台で輝き放った伸びしろしかない3人のドラフト候補 (3ページ目)
上武大の谷口英規監督は、髙谷について「思った以上に真っすぐより変化球を丁寧に投げていた」と印象を語っている。この日に投げた球種はスライダー、カーブ、ツーシーム、スプリット、チェンジアップ。種類が多いだけでなく、精度にも自信がある。
とくに特徴的なのはカーブだ。人差し指を折り曲げた状態でボールにかける、「ナックルカーブ」。髙谷は「指パッチンする感じで、縦に切るように投げます」と明かす。
島崎監督は現役時代にドラフト候補に挙がるほどの投手だったが、髙谷のナックルカーブについて太鼓判を押す。
「加速して落ちてくるような軌道なので、初見のキャッチャーもバッターもビックリするボールです。カウント球でも勝負球でも使えますし、自分もあんなカーブを投げてみたかったですね」
エース格の木村ら、仲間たちに連れてきてもらった神宮のマウンド。そんな思いもあったのではないか。髙谷にそう尋ねると、「ホントにそうです」と返ってきた。
「木村、工藤が頑張ってくれて、野手のみんなが打って勝ってくれたおかげで、自分はここに来られたので。まずは全国で1勝できて、少しはよかったのかなと感じます」
髙谷は2回戦の佛教大戦でもリリーフ登板し、1回無失点で勝利に貢献。準々決勝の青山学院大戦では、ドラフト候補の小田康一郎から本塁打を浴びてチームも敗戦。それでも、3回2失点とまずまずの出来だった。
今後はプロ志望届を提出する予定だが、誘いを受ける企業チームとの兼ね合いもあり、進路を熟考することになりそうだ。
盛岡大付高時代に通算58本塁打を放った神奈川大の金子京介 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る
【高校時代は通算58本塁打】
野手でもひとりの怪素材を紹介したい。盛岡大付高時代からスラッガーとして注目された金子京介(神奈川大)だ。
6月10日、東京ドームでの1回戦に臨んだが、序盤から近畿大の猛攻撃に遭い、0対8(7回コールド)のワンサイドゲームになった。
それでも、金子は近畿大のドラフト候補左腕・野口練から力強いスイングで左前打を放ち、大器の片鱗を見せている。
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