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153キロ右腕、ナックルカーブの使い手、右の大砲... 全国の舞台で輝き放った伸びしろしかない3人のドラフト候補 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 さらにフィジカル的に未完成という点も、赤木への期待感を増幅させる。赤木は言う。

「まだまだ鍛え込めるし、めちゃくちゃ伸びる余地があると感じています」

 希望進路は「プロ一本」。今春に進化した姿を見せたことで、支配下でのドラフト指名も現実味を帯びてきている。

上武大戦で好投した北海学園大の髙谷舟 photo by Kikuchi Takahiro上武大戦で好投した北海学園大の髙谷舟 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る

【指揮官が太鼓判を押すナックルカーブ】

 今大会で上武大、佛教大を破ってベスト8に食い込んだのが北海学園大だ。最速159キロの速球派右腕・工藤泰己、ゲームメイク能力が高い左腕・木村駿太らドラフト候補を多数擁し、インパクト十分の戦いぶりを見せた。

 そんななか、ヴェールを脱いだ大器が髙谷舟(たかや・しゅう)だった。

 最速153キロの好球質のストレートを投げる右腕として注目の存在だったが、今春はアピールする機会が限られた。胃腸炎で出遅れたこともあり、リーグ戦ではわずか2試合、5イニングの登板に留まっていたからだ。

 ただし、北海学園大の島崎圭介監督は「リーグ戦は投げさせるタイミングがなかっただけで、全国に通用する力があると信じていました」と髙谷を起用する機会をうかがっていた。

 6月9日、上武大との1回戦は4対4の同点で試合終盤を迎えていた。7回裏、上武大が二死満塁と攻め立て、ドラフト候補の西原太一が打席に入ったタイミングで、髙谷の登板が神宮球場の場内にアナウンスされた。

 髙谷は指先にかかった151キロのストレートを披露するなど、西原を2ストライクと追い込む。最後は133キロのスライダーで空振り三振に仕留めた。その後も再来年のドラフト候補である岡村シルバー魁人(2年)を149キロの快速球で二塁ゴロに抑えるなど、タレント揃いの上武大打線をノーヒットに封じた。

 試合は9回に1点を勝ち越した北海学園大が5対4で勝利している。

 髙谷は試合後、神妙な表情でこう語った。

「ピンチの場面で投げる準備はしていました。4年間やってきたことを出そうと考えていました」

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