東北福祉大の164キロ右腕は長いイニングを投げられるのか? ドラフト候補・堀越啓太の葛藤と苦悩 (4ページ目)
ルーティンだったバレーボール投げをやらなくなった理由も、右肩の疲労を考慮してのことだった。ただし、「感覚は入れておきたいので、今も週に1〜2回ペースでバレーボールを投げています」と堀越は語った。
今後は肩をケアしつつ縦に振り下ろす形に戻すのか、それともスリークォーターのまま勝負するのか。そう尋ねると、堀越は即答した。
「バッターから見た怖さは、腕が低いほうがあると思います。タイプ的にまとまりすぎないほうがいいのかなと。(アングルが)上がりすぎず、下げすぎず。今がちょうどいいのかなと感じます」
腕を振る角度こそ変わっても、縦の変化球に対する自信は揺らいでいない。堀越は1回表に仙台大のドラフト候補・平川蓮から空振り三振を奪ったシーンについて言及した。
「この冬に縦変化を磨いてきて、平川からフォークで三振をとれたのは、自分自身で成長を感じとれました。腕の振りが変わっても、フォークは関係なく落ちています」
今後、先発投手として長いイニングを投げるには、何が必要になってくると思うか。堀越に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「自分は(ストライク)ゾーンで勝負するピッチャーなので、それぞれの変化球でゾーンに投げ込めるかがカギになってくると思います。スライダー、カットボールでもボールに強さを出して、ゾーンで勝負していきたいです」
ブルペンでの投球練習を見る限り、剛速球の軌道から小さく横滑りするカットボールに、強烈な印象を覚えた。そんな感想を伝えると、堀越は「最近、カットの感覚がよくなっているんです」と笑った。
「社会人とのオープン戦で投げても、バッターの反応がよかったので。ここにきて、精度が上がっていると感じています。今日は1球しか投げていないんですけど、もっと投げればよかったですね」
6月10日には、大学選手権で九州産業大との初戦(神宮球場)を迎える。よほどのことがない限り、東北福祉大の先発投手はエースの櫻井だろう。だが、堀越が今年のドラフト戦線における重要人物であることに変わりはない。
堀越啓太が長いイニングを投げる「新たな顔」を見せたその時。ドラフト戦線は音を立てて動き始める。
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著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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