元大阪桐蔭・福森大翔は、医師に「そう遠くないうちに命が尽きる」と告げられても、「やれることはすべてやる」と覚悟を決めた (4ページ目)
努めて明るく振る舞っているが、抗がん剤による副作用は日々実感している。
「抗がん剤治療が始まると、体がだるく、熱っぽくもなってきて、手足がヒリヒリしたり、足の裏の皮が剥けたり、口内炎ができやすくなったり、鼻の下や口の端が切れたり......。ほんといろんなことが起きるんです。前にインスタにも載せたんですけど、朝起きたらいきなり鼻の中が切れて、血が出たこともありました。だから、休薬期間が終わる頃になると、また始まるのかと、憂鬱な気分になるんです」
次に起こる副作用について話しながら、「ただ一番辛いのは......」と福森の表情が曇った。
「僕の場合、終わりがないというのが一番辛いところなんです。抗がん剤の効果が見込める人なら、効果が出てくれば徐々に量を減らしたり、期間を空けたりして、うまくいけば寛解を目指せます。
でも僕は、仮に少し効いたとしても、あくまで進行の速度や程度を抑えるためのもので、劇的に何かの状況が変わらない限り、生きているうちは一生飲み続けないといけない。終わりが見えないというのが、副作用の多い抗がん剤治療をするうえで、一番気分が重たくなるところです」
それでも、やれることをやるしかない──立ち止まることのできない戦いが、日々続いている。
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福森 大翔
【プロフィール】
1995年7月29日、大阪市旭区生まれ。小学3年生で野球と出会い、中学時代は大阪都島ボーイズ、高校時代は大阪桐蔭高校野球部に所属し文武両道に励む。立命館大学産業社会学部卒業後、大手ハウスメーカーに入社。2021年にがんの宣告を受けるも、2024年に入籍。現在に至る
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著者プロフィール
谷上史朗 (たにがみ・しろう)
1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。
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