2024年のドラフト候補が神宮大会で好投 注目の富士大・佐藤柳之介、最大の売りは? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 それだけのメンバーが揃っているということは、大学日本一を狙えるということでもある。今年は大学選手権、明治神宮大会ともに準決勝で青山学院大に敗れている。

 明治神宮大会の準決勝では、ビハインドを追う試合中に佐藤は安田慎太郎監督に「投げさせてください」と直訴したという。だが、安田監督は決勝戦で先発予定だった佐藤の申し出を退けた。本気で日本一を狙うからこその判断だった。

 北東北大学リーグにも八戸学院大や青森大など、強敵が牙を研いでいる。佐藤は引き締まった表情で決意を語った。

「ひと冬越えて、どのチームも戦力が上がってくるので。でも、ウチもチームとしてまとまって力を出せれば日本一を狙えると思います」

 そして、佐藤は不敵に笑って「自分たちでも来年が楽しみなんです」と言った。チームとして、そして個人として。佐藤柳之介のナンバーワンをかけた戦いは、すでに始まっている。

プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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