神宮大会で注目を集めたプロが認める強打者3人 低反発バットでも存在感を示せるか (2ページ目)
両投左打の強打者、大阪桐蔭の徳丸快晴 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る
徳丸快晴(大阪桐蔭/2年/外野手/178センチ・82キロ/両投左打)
1年秋から名門の3番に座り、安打を量産してきた左の強打者。そんな徳丸に異変が起きていた。今秋の打席での姿を見て、「こぢんまりしてしまった?」という印象を受けた。
関東一に5対9で敗れた試合後、本人に打撃の調子を聞くと案の定「全然よくなかったです」と返ってきた。
「体が開いて、一定の形でスイングできていないんです」
今まで右足を上げてタイミングをとっていたが、試行錯誤の末にすり足のスタイルに変更。関東一戦では中堅左へライナーで抜けるタイムリー二塁打を放ち、実力の一端は見せた。それでも、徳丸は「納得がいかない」と渋い表情だった。
チームは5失策と守備が乱れ、課題が浮き彫りになった。今大会は左翼で出場した徳丸だが、内野の守備適性もある。ちなみに、野球を始めた頃から左右両腕とも違和感なく投げられる徳丸は、外野守備時には左投げ、内野守備時には右投げとしてプレーする。稀に見る変わり種だが、本人は内野守備について「ショート以外なら練習すればできます」と事もなげに語る。
チームのテコ入れとして、来春センバツでは「内野・徳丸」のオプションが発動する可能性も十分ある。とはいえ、徳丸は「まずは打撃を戻すのが最優先」と語った。
なお、3歳上の兄・天晴はNTT西日本でプレーする右のスラッガーで、来秋のドラフト候補に挙がっている。両者の成長次第では「兄弟揃ってドラフト指名」の快挙も見えてくる。
「そうなったらベストですけど、進路のことは全然考えていません。今はチームを強くしていくことだけを考えています」
来春には本来のシャープな打撃を取り戻すことができるか。徳丸快晴は正念場を迎えている。
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