中田翔以来の衝撃 大阪桐蔭のスーパー1年生・森陽樹が語る佐々木朗希への憧れと夢 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

── どういうピッチャーを目指していますか?

「千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手みたいになりたいです。高校3年で160キロ出すことを自分も目標にしているのと、タイプ的にも長身で似ているかなというのもあって、将来的には佐々木投手のような選手になりたいです」

── 2日前のドラフトは見ましたか?

「寮の食堂のテレビで見ていました。自分も2年後、絶対に前田さんみたいにドラフト1位で指名されてプロに行きたいので......そんな気持ちで見ていました」

── 甲子園とプロ野球、どっちの憧れが強いですか?

「まずは甲子園で優勝して、ドラフト1位でプロに行って......」

── その先にはメジャーへの思いも?

「あります。でもまずは日本のプロ野球で活躍して、段階を踏んでからです」

 朴訥とした語りのなかに、刺激的な言葉が並んだ。しかし、高校1年の秋にして語る「佐々木?希」「メジャー」の言葉がすんなり馴染んでしまう、まさしく"本物の逸材"だ。

 宮崎の中学軟式界から大阪桐蔭へ。今後の活躍とともにさまざま声が聞こえてくるようになるだろが、はるか先、はるか上を見てきた野球少年が、次の一歩として大阪桐蔭進学を選択したことは、ごく自然の判断だったのだろう。

「東北? 仙台? 何を言っているんですか。同じ日本じゃないですか。そんなことが話題になるのは日本だけですよ」

 20年ほど前、野球留学を特集したある取材のなかで、ダルビッシュ有の父が語ったという言葉に出会った。大阪から東北高校(宮城)へ進んだ息子の選択について語るなかで口にしたという言葉は、今も頭のなかに残っている。

 そのダルビッシュのプロ3年目の2007年に生まれたのが森。時代は変わり、日本人選手が次々に海を渡り活躍。とくに投手は、WBCの戦いを通じて「世界一」と評されるようになり、日本のエースがメジャーの主戦として投げる時代だ。その舞台で投げることを夢ではなく、リアルな目標として野球を続けてきた世代なのだ。

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