イチローとコンビを組んだ名手も認める能力。ドラフト候補・今泉颯太の評価が爆上がり中 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 ただし、今泉の50メートル走のタイムは6秒4(光電管計測)と、プロレベルで見れば平凡な数値だ。それでも、下級生時には代走での起用も多かった。走塁技術には自信があるのではないかと聞くと、今泉は「めちゃめちゃあります」と答えた。

「二塁からホームに生還する時のタイムは早稲田戦で6秒29を出したんですけど、今年の六大学で一番速かったみたいです。去年の1位が慶應の朝日晴人さん(現・三菱重工West)の6秒36だったそうです。足の速さは普通でも、盗塁も得意だし走塁は自信があります」

 掘れば掘るほど、今泉に対する「平均点」のイメージが覆される。これも話を聞いてみなければわからなかったことだ。

 あとは、秋の大学ラストシーズンで目に見えてわかる形で今泉颯太の真価を見せてもらえるかどうか。今泉がきっかけをつかんだその時、「ドラフト上位でなければ獲れない」という評価を勝ちとっているはずだ。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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