センバツ視察のスカウトが「こんなピッチャーがいたんだ!」と驚いた逸材は? 「ドラフト指名確実」と評価急上昇の捕手も (5ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki,Sankei Visual

 報徳学園の堀については、こんな声が聞かれた。

「体の強さとスピードがあって、身体能力は高い。バッティングについては、ヘッドが出てこないので今のままだと厳しいですね」(パ・リーグスカウトC氏)

「肩は強いけど、地肩の強さだけで投げている感じがします。もう少しフットワークを使えるようになれば、スローイングの精度も上がってくると思います。バッティングも力任せで、詰まり気味なのが気になりました」(セ・リーグスカウトD氏)

 ともに素材のよさは認められているだけに、期待値が高いゆえの厳しい評価ととらえ、奮起してもらいたい。

 このほか、投手では145キロをマークした履正社の左腕・福田幸之介、東北の145キロ右腕・ハッブス大起、今大会は不調だったが最速149キロをマークしたことがある東邦の本格派右腕・宮國凌空、将来性を高く評価された北陸の右腕・友廣陸、大会前の登録変更でベンチ入りした龍谷大平安の岩井聖......。野手では守備力が高い仙台育英の遊撃手・山田脩也、スイングの形のよさを評価された広陵・小林隼翔らが、夏まで追いかける存在として名前が挙がった。

 大学生に好素材の選手が多くいると言われている今年のドラフト。そこに高校生がどこまで食い込めるか。この世代は下級生時に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けており、実戦不足は否めない。それだけに経験を積めば、まだまだ大きく伸びる可能性を秘めている。今回、甲子園に出場していない選手も含め、彼らの成長に期待したい。

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