甲子園準々決勝以降のカギは「守備力」。エラー急増の今夏で唯一、内野手の無失策は聖光学院だが... (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

準々決勝以降の戦いは守備力

 そしてもうひとつ、忘れてはいけないのが今年の3年生は入学時から新型コロナウイルスによって活動制限を余儀なくされてきた"コロナ世代"であることだ。馬淵監督もその影響は否めないと言う。

「今年の3年生は、3年間丸々コロナでやられた世代やからね。3年間で計算したら、今年の3年生は試合自粛で練習試合が50〜60試合は少ない。そういったものが出ているんじゃないかな。練習不足の影響を感じるのは、ゲッツーをとれるところでとれないこと。セカンドなり、ショートなりがファーストに高い送球を放るとかね。そのほかには、ファーストに詰まった高いバウンドの打球が飛んで、ファーストが前に出てピッチャーとの連係がうまくいっていないとかもある」

 馬淵監督の指摘どおり、固いグラウンド、コロナによる練習不足がエラー増の要因になっていることは間違いないだろう。

 だが、全国の頂点を目指すうえで、そんなことは言っていられない。甲子園も準々決勝以降になれば、ミスを逃してくれない相手ばかりになる。もらったチャンスにはたたみかけられ、ビッグイニングをつくられてしまえば一気に試合は決まってしまう。ここから先はいかに守れるか。3Bを含め、いかにミスをなくせるかだ。

 参考までに、ベスト8に進出したチームの失策数を紹介する(○数字は回戦数)。

愛工大名電/試合数3/失策数2(①1、②0、③1/捕手1、三塁手1)
近江/試合数3/失策数3(①3、②0、③0/二塁手、三塁手、遊撃手各1)
聖光学院/試合数3/失策数2(①0、②0、③2/投手1、左翼手1)
大阪桐蔭/試合数3/失策数2(①2、②0、③0/遊撃手2)
仙台育英/試合数/失策数2(②2、③0/二塁手1、遊撃手1)
高松商/試合数2/失策数4(②4、③0/一塁手2、二塁手1、遊撃手1)
下関国際/試合数2/失策数3(②2、③1/一塁手1、三塁手1、遊撃手1)
九州学院/試合数2/失策数4(②1、③3/投手1、二塁手1、三塁手1、右翼手1)

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