甲子園準々決勝以降のカギは「守備力」。エラー急増の今夏で唯一、内野手の無失策は聖光学院だが... (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 内野手が唯一エラーをしていないのは聖光学院のみ。ただ、初戦で複数失策を記録した近江、大阪桐蔭、仙台育英、高松商はきっちりと次戦以降で無失策と修正している。

 各校とも2〜3試合を戦い、3年ぶりに制限なしの有観客となった甲子園の雰囲気にも慣れた。また、3回戦最後の試合となった二松学舎大付対大阪桐蔭戦の直後には夕立があり、翌日の休養日には雨が降ったことで、グラウンド状態も改善されることが予想される。どのチームも、今後は本来の実力どおりの守備力を発揮することができるはずだ。

 昨年は準々決勝の4試合で無失策のチームが勝利。決勝戦は2016年以降5大会連続でノーエラーだったチームが勝ち、優勝している。当たり前だが、どれだけミスを減らし、どれだけ余計な失点を与えないか。スコアボードに「E」ランプを灯さないことが優勝への必須条件になる。

 ファンやメディアは投手の球速や三振数、打者の本塁打など、派手なプレーに目がいきがち。だからこそ、地味な守備に注目してもらいたい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る