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公式戦0勝のドラフト1位候補。
メジャースカウトも絶賛のポテンシャル (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 こうして梅津は秋のリーグ戦で登板機会を掴むと、150キロ前後のストレートを連発。「これは来年のドラフト1位だ」とスカウト陣をうならせた。

 だが、秋のリーグ戦登板で右足内転筋の肉離れを悪化させ、春はリーグ戦期間中の練習試合で打球が左足のくるぶしに直撃。2週間ほど歩けなくなり、その影響でハムストリングの筋量も落ちてしまい長期離脱を余儀なくされた。

 そして今秋ようやく万全を期して先発マウンドに上がっている。9月5日の立正大戦では5回3安打無失点。相手ドラフト候補の外野手の小郷裕哉から150キロのストレートで空振り三振を奪うなど上々の内容だった。しかし味方の援護はわずかに1点で、後続の投手が打たれて勝ち星はつかず。

 その後は登板予定の試合が順延し、927日の中央大戦では7回5安打1失点の好投を見せた。ただ味方の援護がなく、またも勝ち星はつかなかった。梅津は「自分がもっと(味方打線)打たせるような環境をつくらないといけません」と険しい表情で語った。

 とはいえ、スカウト陣の評価は高い。

「スケールの大きさを感じます。修正すべき箇所が多い分、伸びしろは大きい。公式戦0勝もプロとしては、気にすることではありません」(楽天・福田功スカウト)

「ストレートも当然魅力ですが、スライダーもプロで通用するボールです」(フィリーズ・大慈彌功スカウト)

 また両スカウトともに評価していたのが修正能力だ。試合中盤から投球フォームをクイックに変えると、踏み出す左足が着地してから右手が上がるようになった。これについて梅津が「ランナーが出てからの方がよかったので大胆に変えました。自分で考えてそうしました」と話したように、試合の中で自らをコントロールできるようになっていることは確かだ。

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