ドラフト会議の日に思い出したい、大学日本代表「雑草組」の男たち (6ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 佐々木はこの日、自己最速を1キロ更新する最速152キロをマーク。だが、会場となった平塚球場のスピードガンの設定がやや甘く感じられた。佐々木自身も「150キロも出た感触はなかったですね」と証言する。また、結果的に抑えてはいたが、打者にしっかりと振り抜かれ、とらえられるシーンも目についた。体重移動の際に半身(はんみ)でいる時間が短く、俗に言う「開きが早い」投球フォームに見えた。

「リーグ戦の序盤はよかったんですけど、後半くらいから我慢ができなくなって、開くのが早くなってきてしまいました。今日も力んでしまったので、開きが早くなっていました。まだまだですね」

 有名選手と対峙して闘争心が高まるあまり、無意識のうちに開きが早くなっていたのかもしれない。それでも、結果を残してアピールに成功した佐々木は、晴れて日本代表メンバーに選出された。

 7月12日から開催される第40回日米大学野球選手権大会。主将に指名されたのは、横浜高から明治大へと進み、今秋のドラフト上位候補に挙がる柳裕也(4年)だ。柳のようなエリートたちに、大山、佐々木のような「雑草組」が混じり合ってどんな戦いぶりを見せてくれるのか。大山が「関甲新でもやれる」と言ったように、全国的に無名な大学の選手でも、国を背負って十分に戦えるということを証明してほしい。

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