ドラフト会議の日に思い出したい、大学日本代表「雑草組」の男たち (2ページ目)
だが、野球の実力と学校名は関係がないことだ。今回の選考合宿でも、大きな注目を集める「エリート」に対して闘志を燃やし、大いにアピールした「雑草」たちがいた。
「こんなチャンスはめったにないことですし、六大学・東都に負けないつもりでやってきました。関甲新でもやれるんだぞ......と」
白鴎大の4番打者・大山悠輔(4年・つくば秀英高)はそう言って胸を張った。今回の選考合宿で最も注目を集めたのは、東京大のエース・宮台康平(3年・湘南高)。東京六大学リーグで今春2勝を挙げ、早くも来秋のドラフト候補に挙がる好素材だ。6月17日の選考合宿初日、大山はその宮台からセンターフェンスを直撃する二塁打を放った。直前には、3ボール0ストライクというカウントから強振してファウルを打っている。
「積極的にいくのが自分の持ち味なので、『ストライクが来たら思い切って振ってやろう』と思っていました。3ボールから振れたことで気が楽になりました」
白鴎大は関甲新学生リーグに所属しており、今春は全国大会実績の豊富な上武大らと優勝争いを繰り広げたチームだ。大山はもともと強肩強打の三塁手として知られていたが、今春のリーグ戦で大爆発。なんと8本塁打(リーグ新記録)を放っている。
「今年の春から、打席のなかでいかにリラックスできるかを意識しました。フォームは変えていないので、気持ちの部分だけです。今まで力むと打てなかったので」
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