ドラフト会議の日に思い出したい、大学日本代表「雑草組」の男たち (3ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 大山は翌18日には立正大(東都大学リーグ2部)のエース・黒木優太(4年・橘学苑高)からタイムリーヒットを放った。代表候補に右の強打者が少ないという追い風もあり、19日に発表された大学日本代表メンバー24名のなかに、大山の名前はしっかりと記されていた。日米大学野球選手権では、日本代表の中軸を任される可能性が高い。

 関甲新大学リーグといえば、新潟医療福祉大の笠原祥太郎(4年・新津高)もまた、初めて選考合宿に呼ばれたひとりだった。

「ホテルで同じ部屋だった水野くん(滉也・札幌日大高→東海大北海道4年)とは話せました。今日はキャッチボールも一緒にやらせてもらって……人見知りなので、こういうの苦手なんですよね(笑)」

 そう言って笠原ははにかんだ。所属する新潟医療福祉大は2013年に創部したばかりの新興大学で、笠原はその1期生。今春は上武大から16三振を奪って勝利を挙げるなど、6勝0敗の好成績で2位と大躍進したチームの大黒柱になっている。

 17日の選考合宿初日、登板した笠原のボールからは力みが見え、いきなり2者連続の四球を与えてしまう。それでも、最速147キロの力強いストレートとカットボールを武器に後続を抑え、2イニングを無安打で封じてみせた。

「完全に力みました……。チェンジアップが全然決まらなくて、でも最後は締められたのでよかったです。インコースのストレートでバットを折ることもできたので、気持ちよかったですね。六大学や東都の強いチームの選手が多くて緊張しました」

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