PSGのGMが語る「我々の目標はレアルに追いつくことではない」

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper   森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】PSG台頭の立役者ジャン・クロード・ブラン(後編)

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今季もPSGを牽引するイブラヒモビッチ(右)とカバーニ photo by Getty Images今季もPSGを牽引するイブラヒモビッチ(右)とカバーニ photo by Getty Images CEOを務めていたジャン・クロード・ブランのもとで、ユベントスはセリエBへの降格が決まってもスター選手の大半を残留させることに成功した。GKのジャンルイジ・ブッフォンは「降格が決まる前からクラブを離れる決意をしていた」と、ブランは言う。降格決定後、ブッフォンはブランに対し、クラブに1シーズン残ってセリエA復帰を目指すと語ったという。しかしブッフォンは、1シーズン残った後に他のクラブからオファーがあったら、ユベントスを離れたいと言ってきた。

 1年後、ユベントスがセリエA復帰を決めた後、ブッフォンはうつろな表情でブランのもとを訪れて言った。「ミランからオファーをもらった」。ブランは答えた。「1時間くれないか。そうしたら、きみがクラブに残るべき理由を説明しよう」

 ブランは言う。「私たちはトロフィーの並ぶホールで、ジジ(ブッフォンの愛称)に向けてプレゼンを行なった。スポンサーになってほしい企業を説得するときと同じことをやった。彼の周りにパネルを設けて説明した。彼がクラブの歴史のなかでどれだけ重要な存在か。なぜ彼が次のキャプテンになるべきなのか。ユベントスはどのようにしてセリエAのトップに返り咲き、すべてを勝ち得ようとしているのか。なぜ彼がチャンピオンズリーグ決勝でもう1度プレーすべきなのか。ユベントスの歴史でGKがどれだけ重要な地位を占めてきたか。そして──なぜ彼が、われわれのプロジェクトに欠かせないのか」

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