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PSGのGMが語る「我々の目標はレアルに追いつくことではない」 (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper   森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 PSGはチャンピオンズリーグ優勝を目指している。昨シーズンは準々決勝でバルセロナに完敗した。だが、とブランは言う。バルセロナはケガ人もおらず、出場停止の主力選手もひとりと、運に恵まれていた。PSGは何人もの主力選手を出場停止と負傷で欠き、代わりの選手がその穴を埋められなかった。

 いずれにしても、PSGの目標は「単にトロフィーを手にすることではない」と、ブランは語る。「私たちが目指すのは、スポーツ界に新たな足跡をしるすことだ。目標は、偉大なクラブに追いつくことではない。レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドやバルセロナと肩を並べることではない。そうではなく、ちょっと"謙遜"して言うと、私たちがめざすのはデジタル時代の最初の偉大なクラブになることだ。ソーシャルメディアがこれだけ発達し、情報がまたたく間に地球を駆けめぐる時代に仕事ができることは幸運だ。ズラタン・イブラヒモビッチ(PSGのストライカー)が何か言えば、瞬時に世界中に伝わってしまう。よくも悪くも」

 おそらく彼が思い浮かべているのは、3月にイブラヒモビッチが口にした「フランスは最低の国だ。PSGにはふさわしくない」という発言だろう。しかしブランは、もっと大きなところに目を向けている。新しいメディアのおかげで今のPSGは、レアル・マドリードがたとえば前世紀に獲得したファンをはるかに早く開拓できる。

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