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「世界で唯一」の大技出た!
女子飛込み・板橋美波がぶっつけ挑戦 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 だが苦手とする3種目目の"後ろ宙返り3回半抱え込み"は、失敗した準決勝よりさらに6点以上落とす49.50点の大失敗になってしまった。これにより、3種目終了時点で9位、8位に15点以上の差がつき、入賞が危ぶまれる状況に追い込まれた。

 それでも、2本だけ練習で飛んだという4種目目の109Cで、完璧とは言えないながらも79.55点を獲得し、合計得点を8位に上げた。そして最後の5253Bは、「飛び出した時に五輪の時の感覚と一緒だったので『これは絶対に入る』と思ってやりました」と4人の審判が9.0点を出す完璧な飛込みとなる。この5種目目で84.80点を獲得した結果、合計357.85点で、リオ五輪の8位を上回る7位入賞を果たした。

 この日優勝したのは、リオ五輪で金と銀を獲得した中国勢ではなく、マレーシアのチョン・ジュンホンだった。4種目目で飛んだ"前逆宙返り2回半抱え込み"の難易率は全選手中最低タイの2.8ながら、7審判中4人が10点を出す完璧なもの。板橋の3.7を筆頭に3.3、3.2など難易率が高い種目を飛ぶ選手が並ぶ中、82.60点を獲得して1位という素晴らしい結果を残した。板橋も「自分もああいう選手になれるように努力して、いつか倒したい。でも、ちょっと悔しいですね。自分はあれだけ難易率を取れているのに(3種目が3.2で、あとは3.3と3.7)何で勝てないんだと、若干思いました」と苦笑する。

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