【マラソン】ロス五輪のMGCに向けて新たな取り組みに挑戦中の浦野雄平「高速化から目を背けるわけにはいかない」 (3ページ目)
【レーススピードに余裕を持てるように】
今年2月の大阪マラソンで、浦野は2時間06分41秒のセカンドベストを出して8位、日本人4位で来年10月開催のMGC出場権を獲得した。早い段階でMGCの切符を手にしたことで、練習メニューをはじめ、いろいろなチャレンジができる時間的猶予を得た。すでに現在、MGCで勝つために、従来とは少し異なる取り組みをしている。
「これまでマラソンを7回走り、その"型"はできているので、今は逆にその型を崩す作業に入っています。どちらかといえば、自分は大学時代から(スピードを磨くよりも)走り込みを重視してきて、その延長線上というか"耐久型"でマラソンに臨んでいました。でも、マラソンの高速化がどんどん進んでいる以上、そこから目を背けるわけにはいきません。フィジカル面の強化をしつつ、レーススピードに余裕を持てるような練習に取り組んでいます」
そうした新しい取り組みにはフレッシュな気持ちで臨めているという。今後、スピードという部分をどこまで追求していくのか。その結果、自分がどう変化していくのか。浦野自身も楽しみにしている。
「今年の秋にベルリンマラソンに出たいと思っています。昨年も走って5位に入り(2時間07分35秒)、自信を深められたので、今回もやってきたことに対してしっかりとよい結果が出るといいかなと。昨年のベルリン、今年の大阪マラソンと、最近は暑いなかでのレースが多かったので、条件が整った時に自分がどれだけ走れるのかも確かめられればと思っています」
浦野は大学1年時、箱根駅伝の6区で区間17位に終わった。だが、翌年は1区2位、さらに3年時には5区で区間新記録を更新しての区間賞を獲得し、その悔しさを払拭した。パリ五輪を逃した悔しさは、ロス五輪の切符を手に入れて晴らすつもりだ。
「ロス五輪は、自分の競技人生のひとつの節目になると思います。それが最後になるとは思っていませんが、年齢的(ロス五輪時は30歳)に一番戦えると思うんです。なんとしてもロスに行くぞという覚悟で、MGCをケガなく迎えて、結果を出したいと思っています」
(終わり)
浦野雄平(うらの・ゆうへい)/1997年生まれ、富山県氷見市出身。中学までは野球部で、ポジションはセカンド。富山商業高で本格的に陸上競技に取り組む。國學院大時代には箱根駅伝に4年連続出場し、3年時に5区で区間賞(区間新記録)を獲得。実業団の富士通入社後もトラック、駅伝、マラソンのいずれも高いレベルで安定した結果を残している。マラソンの自己ベストは2時間06分23秒(2025年・東京)。今年2月の大阪マラソンでは2時間06分41秒で8位(日本人4位)となり、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ/2028年ロサンゼルス五輪マラソン日本代表選考会、2027年10月3日開催)出場権を獲得した。前回2023年のMGCは10位(2時間10分41秒)。
著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
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