検索

田中佑美のオフの顔 過去を振り返るのは「引退してから」今は「新しい次の物語がある」 (5ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi

【大事なことは箇条書きにして】

── 田中選手の競技はわずか10数秒で完結してしまうシビアさがありますが、そのなかで「最大瞬間風速」を出すために取り組んでいることはなんでしょう。

「レースに向けて、自分が何をすべきか、何をここでぶつけるのかを、やはり明確化することが大事だと思います。やることがわからなかったらパニックになっちゃうので、やれることを最小限、それこそ箇条書きで書き出しておいて『私は今から、これとこれをします』というようにしておく。

 それぐらい確固たるものがあれば、あまり動揺することはないと思います。ものすごく忘れっぽいので、やることを絞っておかないと、忘れちゃうんですよ(笑)」

── あはは。田中さんの話を聞いていると、過去をあまり振り返らず、常に先を見据えたアプローチのように感じます。

「そうですね。よかった思い出を振り返るのも、それはそれで次へのプレッシャーになりますし、悪いことを振り返るのも、悪いイメージづけになってしまう。だからこれまでを振り返って『よくやった』とか『あの時はああだったな』というのは、引退してからでもいいと思います。

 今はまだ、新しい次の物語があるので、自分がやるべきことを書き出すというか、それを把握しておきたいんです。じゃないと、迷子になっちゃいますからね」

(つづく)

◆田中佑美・後編>>「その程度の覚悟ならば、辞めたほうがいい」

◆田中佑美×BAILA「秋冬ファッションコーデ」ビューティーカタログ>>

◆田中佑美・パリオリンピックを終えて〜「私服」スタジオ撮影オフショット集>>


【profile】
田中佑美(たなか・ゆみ)
1998年12月15日生まれ、大阪府出身。中学から100mハードルを始め、関西大学第一高ではインターハイを連覇し、第9回世界ユース選手権に日本代表として出場する。立命館大学では関西インカレ4連覇、2019年には日本インカレ優勝。2021年4月より富士通に所属し、2022年の日本選手権で3位、2023年世界選手権(ブダペスト)日本代表、2023年のアジア大会で銅メダルを獲得する。パリオリンピックでは準決勝に進出。Instagram→Tanaka Yumi(@yu____den)

<スタッフ>
小嶋洋平●撮影、石上美津江●スタイリスト、吉﨑沙世子(io)●ヘア&メイク、動画撮影&制作●磯貝琢哉、動画ディレクター●池田タツ(スポーツフォース)

<衣装クレジット>
ジャケット¥97900/ホワイトオフィス(クチュール ド アダム)、ワンピース¥29480・カットソー¥16280/シンチ(オブラダ)、ピアス¥42900・リング¥25300/マリハ、ブローチ(別注)¥16500/ピモンテ(ラダ)、ブーツ¥83600/ショールーム ロイト(フラッタード)

★★★ 【@BAILAでも田中佑美選手の記事を配信中!】 ★★★
→インタビュー記事&写真はこちら>>>「@BAILA」

著者プロフィール

  • 石塚 隆

    石塚 隆 (いしづか・たかし)

    1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住

【写真】田中佑美×BAILA「秋のファッションコーデ」ビューティーカタログ

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る