箱根駅伝のシード校は「2強」以外も上位を狙える。全10大学の戦力をチェック! (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

【東海大学】
エース不在のなかでシード権を死守できるか

 前回は5位に入ったが、今季は3区で区間賞を獲得した石原翔太郎(2年)が夏前に戦線離脱。その影響もあり、出雲駅伝は9位、全日本大学駅伝は12位と低迷した。今季10000mで、U20日本歴代3位の28分05秒91をマークしている石原はエントリーから外れており、エース不在のなかで戦うことになる。

 10000m28分03秒37の市村朋樹(4年)、前回6区で区間5位の川上勇士(3年)、同7区6位の主将・本間敬大(4年)、同9区9位の長田駿佑(4年)、同10区8位の竹村拓真(3年)はキャリア十分。前々回7区(区間3位)を務めた松崎咲人(3年)が復帰して、全日本2区を区間7位、11月23日の10000m記録挑戦競技会を28分39秒46の自己新で走っている。

 また、神薗竜馬(2年)が出雲5区で区間5位、全日本5区で区間6位と好走。さらに溝口仁(2年)と梶谷優斗(1年)が10000mで28分20秒台をマークした。2区は厳しい戦いが予想されるだけに、他の区間でリカバリーするしかない。最低でもシード権を確保して、目標の「3位以内」に近づきたい。

【早稲田大学】
主力選手のカムバックで11年ぶりの総合Vも

 前回、箱根駅伝で6位に入ったメンバー9人が残っているが、今季はベストメンバーで勝負できていない。チームの主力は中谷雄飛、太田直希(ともに4年)、井川龍人(3年)の"10000m27分台トリオ"と、日本選手権5000m8位入賞の千明龍之佑(4年)。「駅伝三冠」を目指すも出雲は千明が、全日本は千明と太田が欠場して、ともに6位に終わった。

 一方で主力不在の影響もあり、箱根未経験者が成長している。出雲では菖蒲敦司(2年)が1区で2位と好発進して、石塚陽士(1年)が4区で区間賞。全日本は伊藤大志(1年)が1区で7位スタートをきった。また、前回4区(区間3位)を務めた鈴木創士(3年)は11月20日の早大競技会10000mで28分26秒41の自己ベストで走るなど、チームの総合力は高まっている。

 課題は、太田が前回区間13位に終わった花の2区と、3年連続で区間ふたケタ順位と苦戦している5区になるだろう。2区は1区を希望しているエース中谷が入る可能性もある。5区は千明、菖蒲、伊藤、石塚が候補。いずれにしても、11年ぶりの総合優勝は太田と千明の"完全復活"にかかっている。

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