箱根駅伝のシード校は「2強」以外も上位を狙える。全10大学の戦力をチェック! (5ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

【國學院大學】
強力な7人の個性を生かしてトップ3を目指す

 前回は9位に終わったが、「2年計画」の集大成に向けてチームを仕上げてきた。出雲駅伝(4位)は、アンカーに抜擢された平林清澄(1年)が熱中症で終盤苦しんだものの、途中までは2位争いをリードした。全日本大学駅伝は過去最高となる4位に入っている。

 10000mでチーム最速タイム(28分10秒30)を持つ藤木宏太、前回6区の区間4位で全日本1区を3位で発進した島﨑慎愛、出雲2区の区間賞を獲得した主将・木付琳(いずれも4年)がチームをけん引。そこに、前回2区を担った中西大翔(3年)、全日本8区で区間賞を獲得した伊地知賢造(2年)、全日本でもロング区間の7区を区間3位と好走した平林を加えた6人は強力だ。

 さらに前回5区(区間8位)の殿地琢朗(4年)が「激坂最速王決定戦」登りの部で学生トップを飾るなど、調子を上げている。往路に主力を並べるオーダーが濃厚なだけに、先行逃げきりのレース運びで目標の「3位以内」に突き進みたい。

【東京国際大学】
出雲Vを果たした爆発力で往路優勝を狙う

 前回は2年連続シード権獲得となる総合10位を確保して、今季は出雲駅伝で初出場・初優勝の快挙を達成。1区・山谷昌也(3年)がトップと5秒差で滑り出すと、3区・丹所健(3年)がトップを独走する。日本人選手だけで28秒ものリードを奪い、6区のイェゴン・ヴィンセント(3年)がさらに後続を引き離して、1993年以降では最大となる1分57秒差をつけて圧勝した。

 全日本大学駅伝(5位)でも、3区ヴィンセントと6区・丹所で2度もトップに立った。箱根駅伝では1区・山谷、2区ヴィンセント、3区・丹所という"超攻撃的"なオーダーが濃厚だ。山谷は10000mで28分11秒94のタイムを持ち、ヴィンセントは2区の区間記録保持者。丹所は出雲と全日本で他の日本人選手に大差をつけており、3区終了時までに大量リードを奪うことができる可能性は十分だ。

 前回4区(区間13位)の宗像聖(むなかた・ひじり/3年)も出雲5区を区間3位と好走している。復路は全日本7区で区間6位の野澤巧理、主将・三浦瞭太郎ら4年生が軸となる。山をうまく乗りきることができれば、目標の「往路V」と「総合3位以内」が見えてくるだろう。

(予選会校編:シード権を奪取できそうな有力校は?>>)

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