東海大でサークル出身→箱根10区の選手へ。伝説の男「途方もないことをやりたい」 (5ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sankei Visual

 そして、コモディイイダにとっての継続目標が2年連続のニューイヤー駅伝出場だ。

「選手は自分のやりたいことをしたいと思っていますが、会社としてそこ(ニューイヤー駅伝出場)を目指してくださいと言われれば、そこを目指すのは当然です。前回、初めて出て、自分が好きなことで会社や周囲の人が喜んでくれるのはすごくいいことだなって思いました。それが実業団のよさでもあると思うんです。今年も出場権を獲得して、正月に走りたいですね。風は強いし、寒いんですけど(苦笑)」

 ニューイヤーに挑戦するコモディイイダとは、どんなチームなのか。

「うちはワイワイガヤガヤやるチーム。実業団というと殺伐としたイメージがあり、練習も苦行みたいなところがあるんですけど、うちは楽しくやっている。そのなかで個も大事にして、それを尊重してもらえるチームだと思います。見方によってバラバラという感じもありますが個を応援してくれることで力が上がり、駅伝につながってきますから」

 そういって金子は、こうつけ加えた。

「うちは走っている人がスーパーの店員ではなく、スーパーの店員が走っている。あくまでもスーパーの従業員であることがベースのチームです」

 そうした選手の意識が伝わり、スーパーの仲間や地元の客たちにも応援されている。金子のいう陸上を応援してくれる分母は、身近なところからジワジワと広がりつつある。

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