一山麻緒を支えた監督との絆。
ぎくしゃく関係も乗り越え記録は生まれた (5ページ目)
福士の時は狙ったところで、ほぼ結果を出せていたが、一山の場合は、結果を出そうと取り組んだところで結果を出せず、永山監督自身も悩み、ふたりの関係がぎくしゃくしたこともあったという。
だが、今回はコミュニケーションを取ることを心掛け、関係性を深めてきた。そんな試みがあったからこそ、今回の「29kmから勝負」という気持ちに、ブレはなかった。一山が「鬼メニュー」と言いながらも、これをやれば強くなれると信じてやり続けたからこその結果だった。
今大会、一山に比べて準備が万全ではなかったチームメイトの安藤友香も、2時間22分41秒で2位と、持っている資質の確かさと可能性を感じさせた。
今後の目標は、もちろん世界で戦うためのタイムの追求になるだろう。高橋尚子、渋井陽子、野口みずきと2時間19分台を連発した時のような流れが、女子マラソン界に再び訪れる気配がしてきた。
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