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一山麻緒を支えた監督との絆。
ぎくしゃく関係も乗り越え記録は生まれた (3ページ目)

  • 折山淑美⚫取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 今年、1月19日には、新谷仁美(積水化学)が、ハーフマラソンの日本記録を更新し、2月16日の青梅マラソン女子30kmの部では、MGCで優勝した前田穂南(天満屋)が、05年ベルリンマラソンの途中計時で野口みずきが出した記録を14秒上回る日本最高記録を出していた。

「(最近)女子長距離はどんどん動いてきている。そんな時だからこそ、マラソンでも国内最高(野口みずき/03年大阪国際/2時間21分18秒)を動かしたいという気持ちがあった」と永山監督は語る。

 レースはペースメーカーが1km3分20秒で引っ張る設定だったが、一山はそのペースもまったく苦にならず、「30kmまではジョグ感覚と言ったら言いすぎですが、ゆとりを持って走れたらいいなと思っていました」と振り返る。

 30km通過は、松田の通過ラップより40秒遅い1時間40分31秒だったが、永山監督も一山も30km以降の勝負に自信を持っていた。

 それを裏づけたのが、アルバカーキで行なった5km8本の練習だった。最初の6本までは、ランニングコーチの先導で、1km3分20秒ペースで走らせて、このペースを体の中に染み込ませた。

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