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厚底シューズ狂騒曲。
ニューバランス、ミズノ、アシックスの逆襲は (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by AFLO

 ただ今後、各社を苦しめそうな課題も出てきた。それが「ナイキ厚底OK」と同時に発表された以下の事項だ。

『4月30日以降は、大会前に4カ月以上の市販期間が必要。医療上の理由など以外ではカスタマイズすることはできない』

 これにより主要な大会を逆算した商品開発づくりが必要となるのはもちろんだが、選手はオーダーメイドのシューズで大会に出場することができなくなる。松田瑞生がそうだったように、トップアスリートの中には、微妙にシューズの仕様を変えることがある。汎用性の高いシューズでは足に合わない選手も出てくるため、それが成績に直結してくることは十分にあり得る。各社にとって、この厚底シューズをめぐる騒動で、新たな課題が出てきてしまったと言えなくもない。

 ミズノ広報は「(市販期間4カ月以上、カスタマイズの禁止については)具体的にはまだ動いていません」としながらも、「これからバタバタと動いていく可能性がある」と、今後の対応策を検討している様子。

 あるシューズメーカーは「今回の決定は、すでにシューズが発売されているナイキに有利だ」と憤りを感じているところもある。さらに「特に陸上はカスタムオーダーが当たり前の競技。これでは選手に迷惑がかかる」と嘆くメーカー関係者もいた。

 それでもニューバランス、ミズノ、アシックスはルールを順守しながらも、歩みを止めるつもりはない。もちろん課題をクリアしていく覚悟はできている。開発競争はますます激化していくことだろう。

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