厚底シューズ狂騒曲。ニューバランス、ミズノ、アシックスの逆襲は (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by AFLO

 また、ニューバランスが注目されたのは、1月26日に行なわれた大阪国際女子マラソンでのこと。優勝した松田瑞生が履いていたシューズがニューバランスだった。このレースで松田は、東京オリンピックの女子マラソンで、3人目の代表選手の筆頭になった。

 松田のシューズは、伝説のシューズ職人・三村仁司氏とニューバランスとの共同開発シューズ。「選手の足を計測してフィットするよう0.25センチ刻みで対応していた」(NB広報)まさに松田用にオーダーメイドされた逸品。選手の足に究極まで合わせることで、ナイキ厚底シューズに対抗できることを結果で証明してみせた。

 ニューバランスはすでにカーボン搭載のシューズも発売し、トップアスリートも着用している。今後のマラソンで好記録を出す選手が出てくる可能性もある。また「今後さらなる新作も予定している」(NB広報)と積極性も見せる。

 アシックスもまた、着々と研究開発を進めている。「ナイキに対抗しようという意識はありません。我々はアスリートのパフォーマンスの向上と、ケガの防止の二軸を大切に、これまでどおり開発を続けています」(アシックス広報)と強調する。

 3月1日に開催される東京マラソン2020に向け、「新商品の発表を行なう予定で、時期がきたらリリースします」(アシックス広報)と機能性などの詳細については明かしてくれなかった。当然、「東京オリンピックに向けても開発は進んでいる」とのこと。昨年9月のMGCで、女子で優勝した前田穂南はアシックスを着用していた。もともとシューズづくりには絶対の自信を持つメーカーだけに、新たなテクノロジーの搭載も期待されるところだ。

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