厚底シューズ狂騒曲。
ニューバランス、ミズノ、アシックスの逆襲は
白がミズノのプロトタイプ。ピンクがナイキの厚底。開発競争は続く ついに決着をみたナイキ厚底シューズ騒動。そのシューズを着用して、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が非公式ながらマラソンで2時間台を切ったり、箱根駅伝やMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)で好成績が続出したりと、何かと話題になってきたが、ここでひとつの区切りがついた。
『ソールの厚さを4センチ以下とし、反発力を生み出すプレートは1枚まで』とするワールドアスレチックス(国際陸上競技連盟より名称変更)の決定により、東京オリンピックでのナイキ厚底シューズの着用が認められることになった。
この発表は大きな注目を集めているが、気になるのがナイキ以外のスポーツメーカーの反応だ。大手スポーツメーカーのミズノの広報は「(ナイキ厚底OKについて)特にコメントはありません。我々はこれまでどおりルールにのっとって、ランナーに寄り添ったモノづくりを進めていくだけです」とコメント。
ニューバランスの広報は「アメリカ本社と確認を進めている状況で、公式な見解には時間がかかります」、アシックスの広報は「国際的な問題になっていましたので、状況は把握していますが、現時点でコメントすることはありません」と、いたって冷静な反応だった。焦りや動揺を見せないことは大切だが、それ以上に各社と直接対話するなかで感じたのは、ある種の自信。やはり「ナイキ一強」のこの状況を、各社とも手をこまねいて見ているわけではなかったようだ。
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