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日本男子リレーが発揮した修正力。
失敗から1週間でどう立て直した? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 バトンの受け渡しの位置を世界リレーから変えなかったにもかかわらず、多田と山縣の間隔が詰まってしまったのは、多田の走力が世界リレーの時より上がっていたということ。シーズン序盤は、納得のいく走りができなかった多田も、世界リレーをきっかけに調子を上げてきていた。

 2走の山縣は同走のガトリンに詰められることなく走り、3走の小池は、ミスをした世界リレーの時のようにバトンの真ん中を握るのではなく、下の方を持って受け取った。

 そして、世界リレーで失敗した小池から桐生のバトンパスで、小池は「失敗した映像をよく見て『こうすれば落とさない』と、心の準備をして安全策をとった」という。

 また、バトンパスが成功した時をこう振り返った。

「スタンドの歓声がめちゃくちゃ聞こえて、渡した瞬間に歓声が上がったのでちょっと恥ずかしくなりました」

 桐生もまた、しっかりと準備をできたことが成功の理由だったと言う。

「位置につくギリギリまで風の様子を見ながら、『こうすればこういう風になるかもしれない』と話すことができたので、向かい風であっても落ち着いてバトンパスができたのだと思います。とりあえず、バトンを落とさずに回れたのでホッとしました」

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