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「長距離5冠」の第1弾を制しても、
東海大が浮かぬ表情なのはなぜか? (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

 關、阪口、鬼塚らのアメリカ合宿組も現地と同じことはできないので、こっちでもう1回練習を積まないといけない。關もだましだましやっている感じですからね。まぁ、春先は失敗ができる時期なので、チャレンジしていきたいんですが、いい方向に転ぶ選手もいれば、まだまだの選手もいる。まだ、チームとしてしっくりきていないというのが現状です」

 1年生は故障を抱えたまま入学してきた選手が多かったが、ようやく練習を消化できるようになってきた。2年生は西田が引っ張っているが、ほかの選手がまだまだだ。下級生の突き上げも大事だが、やはり3年生の主力選手が調子を上げていかないことにはチームは盛り上がらない。

「今回の大会に限っていえば、4年生や2年生の西田が頑張ってくれたんですが、やはり鬼塚たちがエースなので、エースらしい走りをしてほしかった。今できることはできたと思いますが、もっと力があるはず。塩尻くんはコンスタントに力を発揮しているので、そういう強さをもっと身につけてほしいなって思いますね」(西出コーチ)

 東海大のエースに対する見方は厳しいが、それも期待が大きいからこそ。鬼塚もそのことを十分自覚しているし、關も悔しい想いを噛みしめていた。阪口も西出コーチと10分以上もふたりで話をしていた。それぞれ現状に向き合いつつ、エースの自覚は持っている。

 出場した選手がお互いをフォローし合いながら、まずは1冠を勝ち取った。

 チーム状態はまだまだが、最初のヤマをひとつ越えた。

 これからは出遅れた選手、故障明けの選手が自分の走りを取り戻していくことになる。チームの足並みがそろうのは、もう少し先になりそうだ。

(つづく)

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