世界陸上でメダル期待のリレー。現時点での「走順予想」はこうなる (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 また、ケンブリッジが日本選手権の準決勝で右太股に痛みが出て、決勝は万全ではなかったように、ロンドンでも故障者が出る可能性もある。09年世界選手権から日本代表に入り、リオ五輪でも補欠に入り、どの走順でも走れる藤光を今回も控えのメンバーに入れたのは、そんなアクシデントにも対応するためだ。その点では昨年のリオと同じように層の厚い体制で臨めることになり、メダル獲得の可能性も高いと言える。

 ほかの種目でのメダル候補となると、50km競歩の荒井広宙(ひろおき/自衛隊)が有力なくらいだ。入賞が期待される種目としては、男女マラソンと男子20km競歩、女子1万mの鈴木亜由子(日本郵政グループ)だろう。

 フィールドだと、男子棒高跳びの山本聖途(トヨタ自動車)が今季は拠点を愛知から東京に変えて心機一転、4月にはアメリカで5m71を跳んでいる。また、リオ出場の萩田大樹(ミズノ)も日本選手権では5位だったが、4月の織田記念では参加標準の5m70を跳び、試合運び次第では入賞圏内に入れる力を持っている。ベテランでは、リオ五輪で7位になった沢野大地(富士通)が、7月9日の南部記念で標準記録を突破できれば代表入りを果たす。

 これ以外の種目になると入賞の可能性は低くなり、「2020年東京五輪につながる結果を出せるか」というのが大きなポイントになってくる。

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