崩れたライバル。揺るがない青学大。総合力の高さで勝った箱根駅伝 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 一方、駒大も故障上がりだった4区のエース中谷圭佑(4年)を、余裕を持たせて走らせることができなかったことが敗因だ。3区終了時点で青学大と1分47秒差というのは、ある程度許容範囲でもあった。だが中谷は4秒前に東洋大、17秒前に神奈川大が見えていたために突っ込む入りになってしまい、後半は大失速する走りになってしまった。

 大八木弘明監督は「中谷は(箱根駅伝に)間に合ったという感じでしたが、まだ1万m以降の持久力までは戻りきっていなかったと思います。その中で自分を過信してしまったというか......。無難な走りをして1時間4分くらいでまとめてくれれば、5区で逆転して往路優勝もあったと思う」と話す。

 また、青学を止める可能性があったほかの大学も勝ち切ることができなかった。

 東海大は1年生を並べて勝負をかけたが、20kmへの不安が吹き出してしまう結果になった。さらに往路で旋風を巻き起こすかと期待された山梨学院大も、主力の佐藤孝哉(4年)と市谷龍太郎、河村知樹(ともに3年)が1週間前にインフルエンザにかかり、エースのドミニク・ニャイロ(2年)も右くるぶしを痛めていて戦いの前からすでに脱落する状況だった。

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