崩れたライバル。揺るがない青学大。総合力の高さで勝った箱根駅伝 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 1時間03分03秒で区間賞を獲得した秋山の走りが、4区の森田歩希(2年)と5区の貞永隆佑(3年)が見せた自分の役割を果たす着実な走りにつながる。翌日の復路6区では小野田勇次(2年)が、2位の早大との差を2分08秒にまで広げて、優勝を確実にした。

 12月30日に風邪を引いて丸一日寝込んだことで、往路には起用できなかった準エースの田村和希を7区で起用。15kmからは失速したが、前半に後続との差を広げようと突っ込んで走ったこともあり、終わってみれば区間11位ながら、区間3位の早大・井戸浩貴(4年)には47秒、東洋大の小笹椋(2年)には24秒負けただけの1時間05分40秒。逆に底力を見せつける走りだった。

 田村のアクシデントも8区の下田裕太(3年)が区間賞の快走で帳消しにし、「青学大の3連覇と3冠は100%間違いない」という状況となる。

 誤算がありながらも強さを発揮した青学大は、結果的に2位以下に7分21秒差をつけた。その完勝を許してしまった要因のひとつとして、東洋大が1区の服部で、酒井俊幸監督が期待していた30秒以上の差を青学大に対してつけられずに終わったことがある。酒井監督が想定していたのは11月の全日本大学駅伝で、中間点過ぎから飛び出した服部に駒大の工藤有生(3年)や早大の武田凜太郎(4年)が食らいつき、青学大の下田を30秒離したようなレースだった。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る