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【月報・青学陸上部】強い駅伝チームには敏腕マネージャーがいる (5ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun photo by AFLO

日本選手権で結果を出したい、エース一色恭志日本選手権で結果を出したい、エース一色恭志 キャプテンの安藤悠哉もスピードが上がらずスタ-トから遅れ、2000m通過時点でブ-ビ-だった。春先から故障で苦しみ、関東インカレ前からようやく練習を始めたが、完全復帰にはもう少し時間が必要だ。

 レ-スは主力の下田、中村祐ともにペースが上がらず、最後は東海大の関颯人と青学2年の梶谷瑠哉(りゅうや)がラスト200mで熾烈なデッドヒートを見せた。関を差すことができずに終わった梶谷は、14分05秒38で2位。自己ベスト更新はならなかったが、最後は粘り強い走りを見せてくれた。
 
 レ-スが終わるとウェアなど自分の持ち物を入れた青いビニ-ル袋を探し出す。袋には大学名、名前、ゼッケンが書かれているが人数が多く、同じ大学名が多いとなかなか自分の袋を見つけられず、時間がかかる。見つけると袋の中からタオルを取り出して汗を拭き、水分を取る。片手にビニール袋を持ってゴ-ルエリアから出てきた下田は体の汗腺から汗という汗が吹き出たようにびっしょりだ。「あぁ、ダメだ。またやっちまった。夏合宿からやり直しですね」と11位に終わり、タイムも14分16秒67と平凡に終わった悔しさを噛み締めていた。

 この日、5000mのメンバ-リストを見るとエ-スの一色恭志の名前がなかった。関東インカレ2部の10000mでは駒沢大の中谷圭佑に敗れ、「肝心なところで勝てない」と自分の勝負弱さに少し呆れたような悲しい笑みを見せたが、5000mではゴ-ル直前でムソニ・ムイル(創価大)を抜き、優勝した。

  その後、日体大記録会に参加したが、この日の大会にはエントリ-せず、来たるべき日本選手権(5000m)に向けて調整を続けている。プロ、実業団など日本の陸上界のトップが集うレ-スだが、果たしてどんなレ-スを見せるのか。この時期、秋山や安藤ら4年生の走りがやや物足りない中、4年で青学のエ-スとしての意地を日本選手権という大舞台で示すことになる。

(つづく)

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