男子1万mのリオ五輪代表争い最終章。大迫傑の「ラストスパート」なるか

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

仁川アジア大会(2014年)の1万mでは2位になった大迫。 自身初の五輪出場なるか仁川アジア大会(2014年)の1万mでは2位になった大迫。 自身初の五輪出場なるか 昨冬、日本長距離界の"時計の針"が大きく動いた。

 八王子ロングディスタンス(11月28日)の1万mで村山紘太と鎧坂哲哉(よろいざか てつや)の旭化成コンビが大接戦を演じて、それぞれ27分29秒69と27分29秒74をマーク。2001年に高岡寿成が打ち立てた日本記録(27分35秒09)を14年半ぶりに塗り替えたのだ。

 1万mで「27分台前半」という新たな領域に突入した男子長距離勢は、6月24~26日に行なわれる日本陸上競技選手権で、「リオ五輪代表」をかけて激突する。

 男子1万mのリオ五輪の参加標準記録及び派遣設定記録の有効期間は2015 年 1 月 1 日~2016 年 7 月 11 日。その期間中に参加標準記録「28分00秒00」を突破した選手は、男子の陸上競技種目のなかで最多となっている。

 記録順にいうと、村山紘、鎧坂、村山謙太(旭化成)、設楽悠太(Honda)、大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)、大六野秀畝(だいろくの しゅうほ・旭化成)、宇賀地強(うがち つよし・コニカミノルタ)、山本浩之(コニカミノルタ)、佐藤悠基(日清食品グループ)、小野裕幸(日清食品グループ)、横手健(富士通)の11人。このうち、村山紘と鎧坂は日本陸連が定めた派遣設定記録「27分31秒43」にも到達している。

 男子1万mは箱根駅伝で活躍した人気ランナーも多く、大激戦の予感十分。どんな展開になり、誰がリオ五輪代表の座をつかむのか。白熱のレースを予想してみたい。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る