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車いすラグビーが銅メダルを獲得。悪夢から立て直し「5年間やってきたことは間違いない」 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 池崎もこれまでの道のりを振り返り、「コロナ禍でいろいろな人が困難を乗り越えて、このパラリンピックという舞台ができた。そこで自分たちが5年間重ねてきた想いを、姿を見せ、元気を届けたかった。それをたったの5日間で終わらせるのはなかなかない気持ちになるし、その中の3位は悔しくて仕方がない」と話す。

 そして、3年後のパリ大会に向けて、こう続ける。

「パラリンピックの借りは、パラリンピックで返す」

 試合後、池崎とハグをして涙を流していた19歳の橋本勝也(三春町役場)は、池崎から「今大会はプレータイムが少なかったけれど、パラリンピックに出る覚悟を感じただろう、次はお前の番だ」と、言葉をかけられたと明かす。先輩から後輩へ、技術だけではなくマインドもこうして引き継がれていく。

 日本車いすラグビー連盟によると、オアー監督の続投が決まっているといい、このまま帰国せずに来月には育成合宿を実施、参加する予定だという。いわずもがな、育成選手の成長はパリ大会に向けたチームづくりでカギとなる重要な取り組みだ。選手が増えれば、特に今の若手代表選手は刺激を受けることになるだろう。切磋琢磨し、今度はチームを支える立場へ。先輩たちのように力強く羽ばたいていく彼らの成長も楽しみにしたい。

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