リオパラ金のエリー・コール。東京パラへ向けて「今、伝えたいこと」 (4ページ目)
ロンドンパラリンピックは、この大会を機に引退することになっていたナタリーと最後に勝負できる機会でもあった。そして、2種目で彼女に勝利を収めた。
「憧れの彼女にも勝てた。最高だった」
2020年の東京パラに向けて語ってくれた だが、実はその代償は決して小さくなかった。1年前から痛みを抱えていた両肩は、悲鳴を上げていた。肩関節の軟骨が傷つき、血流が滞っていた。休まなければ治らなかったが、休む選択肢がエリーにはなかった。「ナタリーと戦いたかったし、あのとき、休めるわけがなかった。でも、今思うともっと自分を大切にすべきだったと思うわ」とエリーはやさしく微笑んだ。
両肩の手術の後、見事な復活を遂げた彼女は、リオパラリンピックで金メダルを獲得。現在も、S9クラスのトップスイマーとして活躍し、2020年東京パラリンピックを目指す。
実はエリーは幼いころ、父の仕事で短期間日本に住んでいたことがある。日本の絵本も読んだし、大学で少しだけ日本語も勉強した。
だからこそ、東京を楽しみにしていることは想像に難くないが、最近、以前より交流のあるオーストラリアの名スイマー、イアン・ソープとこんな計画を立てたという。
「東京パラリンピックでは、レースの後に聞かれるであろう質問の答えをあらかじめ考えておき、それを日本語で暗記して答えられるようにしたらステキだねって」
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