リオパラ金のエリー・コール。東京パラへ向けて「今、伝えたいこと」 (5ページ目)
大好きな日本についてこんな思いも語る。
「パラリンピックを通して、今まで日本の多くの人が目を向けてこなかったことに目が向き、スポーツだけではなく、仕事における環境とかいろんな部分で理解するようになるのはすごくいいことよね。(同じクラスの日本のパラリンピアンである、一ノ瀬)メイちゃんに話を聞いたのだけど、以前彼女は、水泳の練習で他の障がいのないスイマーと練習を別にされちゃうことがあったと言っていたの。でも、オリンピック・パラリンピックが開催されることが決まって、それをきっかけに日本がどんどん変わっていて、今は障がい者と障がいがない人たちの境界線がすごく薄くなってきたと言っていたわ。きっと皆、そんなに違いはないと理解してきたのね」
3度のパラリンピックで最も印象に残っているのは、大歓声の中で泳いだロンドン。「東京パラリンピックではできるだけ多くの人に会場に来てもらえたらうれしいわ」
パラの世界に飛び込んだとき、不自由そうな見た目の人がものすごいスピードで泳ぐのを見て衝撃を受けた。人は持って生まれたものや見た目だけによるのではなく、努力によって成果が得られる。それを伝えたい。
「私は運がよかった。家族がいつも守ってくれたし、悲しいことがあっても励ましてもらえた。片足がないからって、人にジロジロ見られても気にならないし、いじめられた記憶もない。たぶんね、私は自分の障がいを受け入れていたし、それを恥ずかしいと思うような影がなかったからじゃないかな。だって、障がいがなくても、弱さや自信がないとつけ込まれるものじゃない?」
リオの金メダリストは、東京でも輝くメダルを胸にして、彼女だからこそ伝えられるメッセージを発信するつもりだ。
■番組情報
IPC×WOWOWパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ『WHO I AM』
IPC(国際パラリンピック委員会)とWOWOWの共同プロジェクト。2016年に放送が始まり、今年で4シーズン目となる。東京パラリンピック大会が開催される2020年まで、世界最高峰のパラアスリートたちに迫るスポーツドキュメンタリーシリーズ。
詳しくはこちら>>https://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/
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