ロンドンパラ金メダリスト秋山里奈が語る「OLとしての今」 (2ページ目)
伊藤 仕事に手ごたえがあるんですね。
秋山 そうですね。私、デスクワークは向いてないと思いつつOLになったんですけど、意外と楽しくて。仕事が終わればプライベートな時間もたくさんありますし、今は何かに急かされてる生活ではないです。それがわりと楽しいです。
伊藤 比べられるものじゃないかもしれないですが、今とアスリートの頃、どちらがいいですか?
秋山 うーん。今のほうがいいですね。性格が少し丸くなったんじゃないかと思います。とげとげしさがなくなりました(笑)
伊藤 現役のときは仕方ないですよね。
秋山 私の場合、スランプとかが長くて、もうイライラして自分が大嫌いで、もっともっとやらなきゃってずっと思ってて。それに比べると、今はすごく余裕があって、「いいのかな、こういうのんびりした生活を送ってて」って思うことがありますけどね。
伊藤 じゃあ、もう水に入っても大丈夫!って思える時期はいつ来そうですか?
秋山 今はまだ自分の世界記録(※)が破られていないので、それが破られて、「もう私の時代じゃない。終わった」って思ったら大丈夫かもしれないです。
※2012年ジャパンパラ大阪大会の100m背泳ぎで出した1分18秒59
伊藤 世界記録ですか。
秋山 早く塗り替えられて欲しいような、でも塗り替えられたら少なからずショックは受けるだろうし......。だから今までも大会結果とか見ないようにしていて、でもFacebookとかやっていると、みんなが(試合の)結果書いたりリンクを載せたりするので、どうしても避けて通れない。大会があるたびにドキドキします。
伊藤 そうですよね。記録は残っていきますもんね。早く破られ過ぎちゃったら、逆にまた燃えちゃいそうなこともありますかね。
秋山 そうかもしれないですね。ロンドンから半年とか1年とかでもう破られちゃったら、また自分で追いかけて記録を塗り替えられるチャンスがあるかもって思っちゃうかもしれないですけど、もう2年ぐらい経つので。
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