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ロコ・ソラーレを離れた吉田知那美の現在、そして今後は「まずはロンドンへ、そのあとはオーストリアの山村へ」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Soichiro Takeda

――これまで暮らしていた北見のお住まいを引き払う際に、大量の本を処分したことがニュースになっていました。

吉田 おかげさまで、無事に引っ越しできました。ただその最中、「私は(世の中のことを)何も知らないんだなぁ」と何度も思い知らされましたけど......。

――それは、どういったことですか。

吉田 特定の家電にはリサイクル料金がかかるとか、引越しに伴う審査書類や、個人事業主としての税理士さんとのやりとりなど、挙げたらきりがないくらい。これまで、強くなるために競技に没頭してきて、ある意味では小さな世界の常識のなかで生きてきたから、皆さんがふつうに経験してきたことが、34歳になっても何もできていないという......。その恥ずかしさを痛感するとともに、世の中にはあらゆる手段があって、それをこれまではチーム関係者がすべてやってくれていたんだなと、あらためて感謝する気持ちを抱きました。

――34歳にして新たなスタートを切った吉田選手ですが、ロンドンに発つ前には昨年に引き続き日本選手権(6月7日~14日)が横浜で開催されています。初の首都圏開催となった前回大会を振り返って、どのように感じましたか。

吉田 トータルでとてもいい大会でしたし、40回を超える日本選手権の歴史のなかで最もお客さんが入った大会だったと思います。来シーズン(2026-2027シーズン)も横浜で日本選手権が開催されることが発表されましたが、個人的にはずっと横浜開催でいいと思っています。

――ロコ・ソラーレの試合はもちろんですが、男子の試合も例年よりも多くの方が観戦してくれたことは、カーリング界全体にとってポジティブなことでした。

吉田 男子のカーリングは本当に面白いので、もっともっと多くの人に見てほしいです。

――前回大会では、ロコ・ソラーレの弟分となるロコ・ドラーゴ(出場チーム名はロコ・ソラーレ)の試合を見守って涙を流している吉田選手の姿が会場内の大スクリーンに大映しになっていました。

吉田 準決勝の北海道コンサドーレ札幌との試合でタック(前田拓海)たちが泣いているのを見て、私も泣いてしまいました。いつも淡々とプレーしていて、泣くことなんてほとんどないんですよ。それが、カーリングをしていて涙があふれてきちゃうくらい心が動いたのだろうということ、それを大勢の観客の皆さんが一緒に喜んでいたこと。それは本当に幸せなことだし、こうやって人はスポーツに魅了されるんだと、あの試合を見て思いました。日本選手権がそういう舞台になったこともすばらしいことだなと、いろいろな意味で泣けました。

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